第09期 加古川青流戦 アマチュア選抜大会 Aブロック決勝戦(第4譜)

○主 催:加古川市
     公益(財)加古川市ウェルネス協会
     公益(社)日本将棋連盟
○後 援:加古川市教育委員会
○運 営:日本将棋連盟兵庫県支部連合会
 協 力 加古川市将棋協会
     BAN-BANネットワークス株式会社

○棋 戦:第09期加古川青流戦
     アマチュア選抜大会
○対局日:平成31年03月02日
○対局場:加古川市まちづくりセンター
○持時間:各30分、あと一手30秒以内

 ▲先手:天野 啓吾
 △後手:藤原 結樹 

加古川青流戦(アマ枠出場決定戦)

 再掲第10図は、先手の▲6四歩に、後手が△7四金と、躱したところです。

(再掲第10図から)
①▲6三歩成  ②△同 銀上
③▲4五銀   ④△6五銀
⑤▲5四歩   ⑥△5二金 (第11図)

①歩の成り捨てで、突破口を開こうとします。
②形良く、△同銀引もあったかもしれません。
③銀交換を求め、何とか食らいつこうとします。
④相手にせず、躱します。
⑤嫌みな歩を垂らします。
⑥▲5四歩の拠点が残ってしまいました。

 先手は、何とか突破口を見出そうと、必死に手を繋げています。
 後手は、先手の攻めを見切り、何か先手を一気に潰そうとしているようにも見えます。

研究手順:
 後手(△6三同銀上に代えて)、△6三同銀引はどうでしょうか。

a.先手▲5五銀の場合は、△5四歩で、▲6六銀、△6五歩、▲5七銀、△5五歩を狙います。
b.先手▲5五角の場合は、△3三桂で、▲5五角を目標にして、△4五桂を狙い筋とします。

 後手としては、これもまた一局ではなかったでしょうか。

(第11図から)
  ▲6六金   △7六歩
  ▲8六角   △6六銀
  ▲5三歩成  △7五銀
  ▲5二と   △5六歩
  ▲7七歩   △5二銀 (第12図)

 第11図、先手は、ここでも強く▲6六金と、金銀交換を求め、突破口を見出そうとします。
 後手は、△7六歩の角取りで、切り返します。

 そこで、先手は、▲6六金を見切り、▲8六角と躱します。
 後手は、△6六銀と、先手の金を取ります。

 しかし、先手は、ここで待望の▲5三歩成と、と金ができました。 
 後手は、△7五銀と引いて、先手の角筋を止めます。 

 先手は、▲5二とで、金を取り返しました。
 ここで、後手は△5六歩と、味良く歩を伸ばし、先手▲7七歩の受けに、△5二銀と、手を戻します。

 後手は、△5七歩成が楽しみです。しかし、王の守りが手薄であるのが気になります。
 ここで、先手に俗手ですが、好手がありました。 

(第12図から)
  ▲3四金   △7七歩成
  ▲2四金   △8八と
  ▲6二飛   △7二飛
  ▲同飛成   △同 玉 (第13図)

 第12図、先手、▲3四金の飛取りです。これで、後手の飛が死んでしまいました。
 そこで、後手も△7七歩成で、飛車取りです。

 しかし、先手は、もう飛車を逃げません。
 先手、▲2四金、後手△8八とで、飛を取り合います。

 そして、先手▲6二飛で、後手△7二飛合を強要し、△7二玉と、移動さすのが巧い手です。
 後手△8二王のままですと、△9三王~△8四王の入玉含みの手順が気になるからです。

 先手の優勢がはっきりしました。あとは、どう寄せの網を絞るかです。
 とは言え、持ち時間の少ない将棋ですから、どこで、何が起こっても不思議ではありません。  

 第07図、ここで、先手天野さんが指した次の一手を考えていただきましょう。
 では、次の一手は明日の第5譜で・・・。