講義 (担当教授:石川 泰)

・今指している戦法に閉塞感がある(・棋風を改造したい ・もっと色んな将棋を指してみたい )そんな時に、新しい戦法を覚えたくなると思います。
・しかし、適切なプロセスを踏まないと、なかなか上手く身に付きません。そんな新戦法を習得する際の参考になれば幸いです。

YouTube 掲載日:2019/10/08

講義ノート(棋楽)

(指し慣れた戦法から、中飛車でも石田流でも何でも良いが、)新しい戦法を指すために必要なこと

①一冊、本を読み切る

・三冊、五冊でも良いが、最低限、一冊の本を読み切る。

・そして、その戦法を直ぐ指すのではなく、その戦法がどういう狙いを持っているのか、しっかりと勉強するのが大切

・事前に持っていた印象と、勉強をした後の印象が異なる場合がある

②プロの棋譜を10局並べる

・戦法書には、序・中盤の狙いは書いているが、プロの棋譜で終盤までの攻防を体感し、その戦法の特色を知ることも大事

・勝った棋譜と負けた棋譜の両方を並べるのが良い。 ⇨ 勝ちパターンと負けパターンをイメージとして、覚えておく(身につける)

・そして、最低限10局は並べる

③実戦で指す

・上記①、②の下準備をしたうえで、実戦を指す。

・狙いや特徴を分かったうえで指すのと、ただ何となく指して失敗するのとでは、それ以降の改善部分で、大きく違いが生じる

・因みに奨励会とかプロの場合、半年とか一年、場合によっては、それ以上の期間をかけて準備している(それ位、実戦の前に事前の準備をしている)

④半年間は続ける

・これが一番大事。簡単に見切りをつけてはいけないということ。 ⇨ 指し続けると、その戦法特有の筋や、その戦法に対する本当の嫌な手が分かる。

・その戦法特有の筋が身につくのは、汎用性も高く、同じ戦法をされた時に有力な対策を講じやすい

・その戦法を暫くの間、突き詰めてみようという気持ちでやるのが大切

・プロや奨励会員で、例えば振り飛車党から居飛車党に、或いは居飛車党から振り飛車党に大転換して成功した方々に共通しているのは、とにかく最初に結果が出なくても、しっかりと指し続けている。