第32回 兵庫県 アマ竜王戦決勝(第1譜)
○主 催:日本将棋連盟兵庫県支部連合会
読売新聞社
○棋 戦:第32回兵庫県アマ竜王戦
○対局日:令和01年05月12日
○対局場:加古川市まちづくりセンター
○持時間:各20分、あと一手30秒以内
▲先手:西 淳平
△後手:天野 啓吾
アマ竜王戦への県代表決定戦
将棋の全日本アマチュア竜王戦への兵庫県からの出場枠は、1名と定められています。
本局、兵庫県アマ竜王戦決勝が、その県代表決定戦となるわけです。
先手、三田市の将棋教室経営西淳平さん(27)は、元奨励会員でプロ棋士を志した強豪です。
2016年兵庫県アマ竜王。
後手、川西市の会社員天野啓吾さん(39)は、2016年アマ名人戦でも優勝している強豪です。
2013年兵庫県アマ竜王。
第01図、先手は、いきなり▲7八飛と飛を振り、盤側で観戦している私は度肝を抜かれました。
この▲7八飛に対して、後手の指し方は、相振り飛車か対抗型の将棋で、大きく方針が分かれます。
(初手から)
▲7八飛(第01図)
(第01図から)
△3四歩
▲6八銀 △6二銀
▲7六歩 △6四歩 (第02図)
第01図から、後手は、相振り飛車ではなく、対抗型の将棋を選択しました。
後手△6四歩、この手を見た時、私は胸の鼓動が高鳴るのを感じました。
何故かと言えば、この大会の準決勝で、先手の天野さんが三間飛車、後手が腰掛け銀と言う対抗型の将棋を指していたからです。
(第02図から)
▲4八玉 △4二王
▲3八玉 △3二王
▲2八玉 (第03図)
第02図から、先手は角道を止めずに、▲4八玉~▲2八玉へと足早に玉を移動させ、後手も△4二王~3二王と追随しました。
昔の振り飛車と言えば、▲7六歩、△3四歩に、まずは▲6六歩と角道を止めて、飛を振ると言うのが定番でした。
ところが、現代の振り飛車では、居飛穴対策の一つとして、角交換を厭わずという振り飛車戦法が研究されたのです。
(第03図から)
△1四歩
▲1六歩 △8四歩
▲6六歩 △8五歩
▲7七角 (第04図)
第03図、後手△1四歩は、先手玉の囲いが美濃囲いなのか、あるいは穴熊囲いなのかを打診する意味合いがあります。
これに対して、先手▲1六歩と受けます。これで、ほぼ先手の穴熊はなくなりました。
後手△8四歩の後、先手は漸く▲6六歩と角道を止め、これでオーソドックスな対抗型の将棋となりました。
第04図、ここで、後手天野さんが指した次の一手を考えていただきましょう。
攻めか守りか、天野さんの将棋の創り方が、興味深いところです。
では、次の一手は明日の第2譜で・・・。
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